株式会社ユニバァサル設計は建築家・師橋 孝により昭和36年に開設されて以来、約60年にわたり多くの業務実績を重ねてまいりました。
創立60周年を迎えて、改めて弊社の社会における存在意義を考えてみます。この度、世界中の社会や経済に多大な打撃を与えたコロナ禍の発生で人々の考え方や生き方が大きく変わりました。まずは、人々を取り巻く環境を地球規模の観点から俯瞰し、その中で我々日本人が何を考えて生きてきたのか、そして、弊社がいま置かれている環境で社会にどう貢献できるのか考えてみたいと思います。
私たちは産業革命以来の欧米社会が先導して来た経済優先社会だけでは人々の願望は埋めきれず、物質的な豊かさを追求してきたがそれだけでは幸福になれませんでした。これからは地球環境を保全し人々が安心して暮らせる持続可能な社会を創造することが必要です。そして、自由と民主主義の旗印のもとに発展してきた資本主義経済を採用する欧米社会のシステムと共産党が指導する社会主義市場経済の中国式システムの覇権争いが顕著になっております。その中で今、コロナ禍が世界中に蔓延してきました。私たち人類はコロナ禍からどう復興するのか問われております。
そのような中で、私たち日本人は昔から共存という考え方を取り入れてきました。また、人類は試されながら進化してきました。ウイルスは無くならず次々に新しいものが生まれます。排除するという考えだけでは旨くいかないものです。私たちはこの地球に生まれてきた喜びを甘受して、自然界に於ける生けとし生けるものと共存していかねばなりません。
そして、価値観が急激に変化する中でイノベーションや新たな価値の創造が常に必要であり、前例の踏襲だけでは劣化に繋がります。政府を挙げて唱える働き方改革は、私たちの意識の改革であり、世界観の変革にも繋がります。自然災害の多発する日本では時間に捕らわれず勤勉に生きるための任務にあたることが求められてきました。しかし、人工知能(AI)やモノのインターネット(IOT)などに代表される最先端技術が普及した今、人の役割は変わり、仕事の中身も時間より質を重視され、情報が瞬時に世界に広がる現在では、それによる変化に迅速に対応する能力が求められます。私たちは多方面の情報を的確にとらえ、その情報の持つ意味を吟味し、建築設計者として迅速に対応発信することが真に求められます。
以上のとおり、これからの私たちの使命は職能を通じて人々の生活が真に豊かで喜びにあふれた活力のある世界を実現するための一助になることだと考えます。そのためには私たちの建築設計から環境設計にわたる広範な職能をどのように個性化し差別化するかが今後問われるものと考えます。終わりに、60年もの間ご愛顧いただいたお客様に感謝し御礼申し上げます。今後も社員一同と精進して参りますので末永く宜しくお願いいたします。
代表取締役会長西倉 努
弊社は令和2年11月1日より決算期で60期目を迎えており、操業60周年を迎えることになります。私は10年前の50周年の時に代表取締役社長に就任いたしました。あれからあっという間に10年が経ちました。お陰様で設計監理の実績も多種多様に広がり、官民比率もおおむね半々になりつつあります。スタッフも中堅社員が成長して幹部社員候補が増えつつあります。今後は、若手社員の教育を含めて全体の底上げが必須になって来ると思います。今までの風通しの良い社風を更に進めて、全社的に作品の質を高めてクライアントのご要望に応えて、社会に貢献できる設計事務所を目指していきたいと考えております。
この10年間は、3.11東北大震災に始まり、新型コロナウィルス感染拡大へと続きました。令和2年1月から始まった新型コロナウィルスの感染拡大により、2度にわたる緊急事態宣言の発出によって、現在、日本は大変な経済的ダメージを受けております。我々の業務もその影響を大きく受けており、今後、社会経済がどう推移していくのか不透明であり大変心配をしております。しかし、このような時だからこそ元気を出して全社一丸となって、前を向いて進んでいかなければならないと思っております。
現在、弊社では創立60周年を契機に私の指導の下で、【㈱ユニバァサル設計将来像検討委員会】を構成して今後の改善策の策定を行い、全社的スローガン【一流への進化(あたり前を積み重ねることによる日々の進化)】を設定いたしました。日々の業務を着実にこなし、人と環境と未来のためにニーズを超えた最良の建築を実現させる力強い設計集団(会社)を目指します。改革・改善を繰り返して真に働きやすい職場環境を維持し、社会に貢献できる設計事務所を作り上げていくことをここにお誓い申し上げます。
今後も日々精進し切磋琢磨を怠らず、全社員が同じベクトルで進んでいく決意であります。弊社へご下命くださった全てのお客様に感謝の心を忘れずに未来に進んでいきたいと思います。どうぞ、今後も弊社ユニバァサル設計をよろしくお願い申し上げます。
代表取締役社長西倉 哲夫